Rin_Mikageのブログ

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アナ伝vol.3 ジェヴォーダンの怪物 感想

2022年10月21日 昼公演の感想

がっつりネタバレしてますので、これから観劇予定の方は、観劇後の閲覧をおすすめします。

 

 

目次

概要

場所:こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ 

日時:2022年10月20日㈭~2022年10月23日㈰

配役:

シン:櫻井圭登

レッドフード・グリム:山﨑晶吾

リトルゴーツ・グリム:大藪丘

ダーウィン:田淵累生(淵は難しいほうのふちです)

イソップ:大崎捺希

ツンドラ:星元裕月

二ホン:三好大貴(わが推し!)

ジャン・シャストル:前田隆太郎

メキシコ:辻凌志朗

レオ・ヘルシング:小坂涼太郎

ルー=ガルー:寿里

 

感想

全体:1幕に泣き、2幕に笑って、アフタートークの裏話が2度美味しい。

昼夜全通して観劇したら、話の内容への理解が深まってより面白いタイプの話。私は都合上、昼公演しか行けないが、諸々都合のつく人は行ってみるといいかもしれない。

あと一般発売席、当日引換券の席は平日の昼ということもあり割と後方の席はガラガラだった。

ぜひとも満席の客席を見せてあげたい。推しに。

 

1幕:

悲伝並みに、TRUMPシリーズ並みにしんどくねえか、これ。各々の思いに誠実に生きられた点が唯一の救いでは…。TRUMPシリーズ見たことある方ならご理解いただけると思うのだが、閉鎖された村社会で村人がドンドン消えていく話に覚えがありすぎる*1

何より悲しいのは、彼らが人狼として生きる道が少ないということ。生涯の中で何度も「自分が人間であったなら」という哀しさと向き合わなくてはならない。そして、彼ららしく生きることを是としない社会に立ち向かい、うまく躱しながら生きるが故か噓をつくことに慣れてしまったシンも、その生き方を他者から(特に人間などの他種族から)肯定されることはなく死んでいく。まるで、ネブラ村の住人のようだ。。

「イソップてめえ!」となる人も出てきそうな展開なだけに、2回目に見に行ったらそれぞれのキャラクターに感情移入して見てしまいそうになる。。公式推奨の見方はまさにそれだが(1日通しで観劇できる券があったくらいなので)、個人的には何度も見られるだけの軍資金がなかった。。。不覚。。

ツンドラ、、、

傷心がすぎる。彼女がもともと好きだった人ってルー様かシンでは?

二ホン、お前さん振るんかい。自分の理由で。でも、まあ、もともと恋心を忘れるために二ホンと婚約したから仕方ないとはいえ、タイミングがしんどい。ルー様との両片思いが成立したのは嬉しいが最後、ロンギヌスの槍で貫かれて死ぬうえに消滅してしまうのは悲しい。二人だけが天国へ行ける。二ホンは、ひとりで地獄を歩いてるのだろうか。ツンドラが来ないようにと、きっと刀を携えて。

 

レッドフード、欲望にかられないように自制する彼が、最後にその考えを捨ててシンに立ち向かうのは、一皮むけた彼が歩んだ最初で最後の一歩。とても清々しい。歩みが続かなかったのは悲しいことだが。

逸話性

登場人物たちの名前が童話に関連してたりする。グリム兄弟はグリム童話、イソップはイソップ童話ツンドラスウェーデン出身だから北欧神話かな?二ホンはもともと侍なので日本神話かな?メキシコは土着信仰の神様がいたしなぁ。ダーウィンは美しさに対しての執着がある。心のありどころ、拠りどころが定まっているキャラクターたち。過去に囚われたり執着したりしやすいキャラクターが多かった。

人間サイドならジャン・シャストルには出世欲や野望、レオ・ヘルシングには知的好奇心と探求心に従って生きている。自分の核となるものがちゃんとある。

そしてシン、彼は唯一逸話がない。アメリカは登場人物たちのルーツのある国の中で一番新しい国。一番人間臭く、それでいて狡猾。多分一番縛られることを嫌う。だからこそ、嘘をついてでも自分の道を進む強さを持つ。

 

 

2幕:

ペンライトで応援するのがはじめてだったので、とかく振っていた。時々視線が合うキャストさんがいてとても驚いた。「見られているんだなぁ」と感じることが今までなかったからすごく新鮮で、もう少しおしゃれに気を使ってもいいかもしれないと思ってしまった。(寝坊してアイラインを引くのが関の山だった)

キャストさんごとに持ち味が違うから見ていて楽しい。ダンスの切れがある人、ふり一つ一つの完成度が高い人、キャラクター性が反映されている人と様々。

ひとまずグループカラーのライトで振ったんだけれども、グループカラーと同じカラー担当のキャラクターがいて、ファンサを振られるのは嬉しい半分戸惑った。。ファンサって受けるとゲル化するって思っていたが、危うくゲル化するところだった。基本的に推しと目が合うことがレアだから多分がっつり見られたらゲル化する。最前列とかじゃなくてホント良かった。

あとイソップ君、可愛い系だと思っていたのが1幕で小悪魔なことがみんなにばれている関係で、日替わりの手押し相撲のときにするシャストルへの耳打ちが怖めな発言になっているところがあざといぞ。。中の役者さんは刀ステで知っているが故にぎゃっぷで「ひぃっ!」っとなってしまうなぁ。

 

Twitterでの事前情報をあまり見ないようにしていたから、ペンライトに工夫している人がいて驚いた。ペンライトにテープを貼って文字が見やすくなっているもの、うちわに文字を書き、うちわをペンライトで照らして応援している人もいた(ここはルーさんによるフォローが助かった)ペンライトを小刻みに振っているとファンサがもらいやすいらしい。知らなかった。とにかく平静を保ちたかった。ただでさえ日替わりで笑いが止まらないから、いろいろ感情の出力が大きくなってるんよ、ほんと。日替わりのおかげで1幕で高まった緊張がほぐれ、楽しい時間に変化する。

推しについての感想

アフタートーク、一生懸命場を回してて、三ツ星のときののんびり屋はどこへやら。しっかりお兄様してた。観客にほぼ見えない仲間の顔の話、細かい芝居を続ける役者さんたちの話、それはお芝居に一生懸命で視野の広い推しゆえの視点。歌って踊って殺陣して芝居して。マチソワ間にちゃんと休憩とってね。。。

2幕の歌、やっぱ低音がよく響く。マイクに乗ってて、ツンドラへの愛しさが爆発していたのが素敵でした。ほかのグループと一緒にパフォーマンスしているときでもツンドラから離れない。ツンドラのことどんだけ好きなんだ。。

この公演での日替わりエピソード?で、まさかの伯方の塩ネタを持ってくるとは。。しかもキャラクターにも関わりある「メキシコ」をさりげなく出すわが推しの賢さよ。。

ツンドラも一度下手に捌けて、「は、か、た、のっ、し、お~♪」って歌いながらステージに来るの可愛かった。。

そのあと、ツンドラに告白?プロポーズ?していたのもえらいが、本人を前にして

言えないいじらしい姿、ナイスでした。アドリブで笑いそうになると後方に全力で捌けるのはご愛嬌。次回からは機構の上まで捌けてもいいと思う。けがのない範囲で。

ツンドラからの「大好き」を受けて、照れながら捌けてるのも素敵。ルーさん斬りつけちゃうのはよろしくないが。可愛い。1幕が悲しかったもんね、それくらいの愛情が来ると色々大変だよな、、、オタクはいつもこんな状態ですが毎回生還しているので二ホンも生き延びられたらと思ってしまうのだ。2幕中元気だからこそ、1幕がより重たく残る。。

1幕、武士として生きた記憶があるからこそ残せるものがあり、生きた時間を充実させられている。この辺りは『雨降る正午、風吹けば』に通じるものがあってこの手の作品には目がないんだよなと改めて実感。

割と最初にいなくなってしまう登場人物だし、黒幕にがっつり利用されてしまうキャラクターではあったけれど、誇りをもって生きる姿はほかのキャラクターに影響を与えたと信じてる。”兼ね役で出てこないかな”と気にして見ていたけれど、配置や転換までキャストがやっている(アンサンブルに当たる人がいない)から難しいか。。兼ね役含めて演じるのが好きな推しなので、出てきてくれるかという下心でした。

お衣装もかなり細かく作られてて、個人的にはロングウィッグの推しを見るのは刀ステぶりだったから嬉しかった。腰元の布が戦国の戦いを表した屏風絵のデザインになっていて、彼のルーツを伺い知ることができる。(もう少し加筆したい)

ベート(怪物)化した時のメイクが口元まっかっかでかなり新鮮でした。愛しい人と共にいる未来ではなく、愛しい人が幸せであることを願うのはまさにもののふそのものでした。『他者の幸せを願える、他者の幸せのために動ける』のは彼の強み。

 

彼の報われる日が訪れることを願いたい。。。

 

強いて言うなら…

会場の大きさは、できれば大きいほうが嬉しい。こと今回は殺陣をしているメインシーンとカフェでお茶しているシーンが同時展開されていて、下手後方から見ると距離が詰まって危なっかしく見えた。あと上手側奥のほうにキャストさんがいくとマイクが不調になりやすかった。ワンシーンではあったが、ノイズがもったいなく感じられた。音響設備が潤沢だからこそ、もったいない。

 

あとは、遅刻者が目立つ。特に後方ブロックは段差のつく席で、誰かが通路を通るだけで少し揺れるのだ。ステージ上から出る振動はともかく、客席上で揺れが来ると地震かと身構えてしまう。あえて段差ができるように席が組まれていた分、振動が伝わりやすい構造だったのが悔やまれる。

 

おわりに

後日更新予定。書き足りない!!

 

*1:SPECTER。三好さんは初演再演ともに生き残る役だったが、今回は。。。