Rin_Mikageのブログ

気ままに。思考は自由に。

ツイステ6章 感想 ※ネタバレあり

ネタバレと想像を多分に含みます。

目次

 

~雑感~

6章はイグニハイト寮の物語でした。

イデア君もオルト君もよく生きてたなぁと言いたくなる。そりゃ性格がツイストするよ。オルト君がもともと人間ではないことは、製造日公開の時点で予想できていたけれどここまで深堀りされるとオルト君含めて好きになっちゃう!

 

最後の大団円はあってよかった、本当に。ないと困る。見てる側も報われる話でよかった。

攻略に手間取ってしまったのが痛手だった。66話と67話に1季節分くらい持っていかれてしまったけれども。育成が間に合わないうえに当時育ててたSSRキャラクターを一つのタワーに集約してしまい攻略が難航したのは焦った。一度パーティーを組みなおして再度トライするも組み方ミスってSSRが5人中二人しかいないタワーができた(リドル&アズール組ほんとごめん)。

結局、手持ちSR勢とデュオ魔法持ちのレベルを60以上に引き上げることで攻略できた。日頃の積み重ねが大事なのは、どのゲームでも変わらないのだと改めて理解する。普段は審神者業(刀剣乱舞)に勤しんでいるために、イベントをパスすることの重さが身に染みているのだ。あれはイベントをパスすると後々苦しくなる、うまく作られているゲームである。

以下想像と考察もどき。

 

~地獄其の1~

イデアにとって、学校生活は「夢のような日々」なんでしょう。イデア君からすれば、生涯のほとんどを嘆きの島から出られない上に、嘆きの島に関わった人間の記憶は消去される。世界平和に貢献するといえば聞こえはいいが、嘆きの島で飼い殺されている上に、嘆きの島の外で暮らす人たちには飼い殺されている事情が理解されることもない。加えて、シュラウド家は生まれついて負のエネルギーを蓄積しやすい体質。それはイデア君にも当てはまる。周りにいる研究員さんは感情よりは事実を見ることに長けている人が多い。以上から、楽観的な思考をイデア君が習得する機会が外界の遮断と合わさって絶望的に、ない。

つまり、イデア君のマイナス思考を止める人がほぼいない。地獄其の1。

 

~地獄其の2~

どこまでいっても自分を救ってくれる人がいない。なまじ大抵のことはイデア君だけでもできるし、誰かを必要とする場面があってもオルト君がいればほぼ解決する。データ収集においてオルト君の右に出るものはいないから、イデア君にとっては唯一無二の存在だ。

また、生活において物資が不足することはない。なにかあれば、ツイステ世界におけるネット決済やオンライン上の交流で済んでしまう。けれど、生身の人間同士がかかわることで得られる経験は、希薄になってしまう。地獄其の2。

生身の人間同士で心が満たされる経験は、得難かったのかもしれない。

イデア君の優秀さと他者との交流から生まれる経験の希薄さの両方が、他者から遠巻きにされる悲しみを生んでいたのも重なった不幸の一つだろう。

 

~不変性~

オルトとイデアの距離感も近いからこそ、互いが悪いことをしていても止められない。

オルトはあくまでも「正解のある問い」には強い。だが、正解のない問いを考えるのは二人では足りない。彼らの両親が二人にかかわっている描写が少ないのは、仕事が忙しかったからだろうか。けれどこれでは感情が育つ種が少なすぎませんかね、特にイデア。生き残った彼へのフォローがあったのだろうかと思ってしまう。

このあたりが、二人を取り巻いていたのかもしれない。

 

~打開策~

二人と異なる経験を持っている上に、二人の置かれた状況を理解できる人の存在が不可欠だ。それこそ、状況を冷静に理解し静観するリリアみたいなタイプか、二人を引っ掻き回すくらいの度胸とエネルギーがあるタイプでないと、この二人に本気で関わるのはしんどいのではないだろうか。それこそ夢を叶えんとするヴィルのようなタイプでない限りは、中途半端にかかわると余計こじれることが想像に難くない。

 

~彼らを取り巻くつわものたち~

今までやってきた努力をわずか一瞬で投げ捨てる判断をするヴィルは、遅れてやってきた青春してるんだろうなぁ。徹底的なまでに己を磨き上げ、セーブしている人間にしかできない技。人生の中で一度使えればいいくらいのものをここで使うとは、驚いた。激変した直後は全くヴィルだと気づけなくて、「誰だこのじいさん?」となってしまった、不覚。この技は、大人になってしまった私には眩しい。けれど、自分の行動を顧みて落ち込み泣くのはリアリティがあって好き。一度失わないと気づけない大切なものも描かれてる。ヴィルは若さと自身の努力の結晶を、イデアは大切な存在と自由を。

おじいちゃんになったヴィルにマレウスが祝福を授ける展開は、5章と同じ。だが、リリアの引っ付き虫になってたマレウスが、自らの意志で人と関わろうとしてるのは大きな一歩だった。まだ公的な範囲を超えていないけれど、いずれは同級生同士で与えあったり助け合ったりできるといい。閉鎖的な妖精の国に良い風が吹くと良いな。

 

そして、おうちパワーも含めて兄弟の願いは叶う。家の力って、使いようだよなほんと。家の力とはさみは使いようだと思う。

 

~心の隙間~

『「またね」と言える相手がいる』

『友達を家に招いてゲームができる』

これらは本当に些細なことかもしれない。けれど、前者は【継続できる関係性のある人のいる心強さ】、後者は【自分自身が安心できる環境を大切な人たちと共有できる安らぎ】を手に入れるきっかけになっているのではないだろうか。

私も、家に人を呼ぶことができないタイプだった。家族の一人が、他人を家に上げることをとかく嫌ったからだ。ほかの家ではどこまで家の中が雑然としていても、整頓されていても家族の温かさ、人の優しさに触れることができた。けれど、私の家には温かさより寂しさがはびこっていた。風通しの悪い部屋に埃が溜まり、湿気がこもりカビが生えるような、そんな心地が常に家にあった。何も変わらない虚しさをどこかで感じていながら、家の外にある幸せが壊れないようにと願っていた。

イデア君の場合は自分の部屋が居場所のようだった。オルト君がいることが一番の安心だったのだろう。けれど、部屋の外は嘆きの島でも賢者の島でも変わらず吹雪の中を歩いている気分だったのではないかと推測する。

 

~総論と余談~

私には六章を通じて

イデア自身が同世代の人と一緒にいる経験を積める”

”嘆きの島で完結していたイデアの視界が、賢者の島での生活で大きく広がる”

ことにより、

”普通”を夢見ていた青年が、自身の命運を賭して”普通”を叶えに行く。

物語に見えた。

ところで、ミッキーが見かけた銀色の髪と緑の目の持ち主、、セべクとシルバーかな?

リリアは長い寿命が終わりそうなのかな?ディアソムニアから目が離せない。

 

余談だが、一オタクとしてオルト君のセリフ「兄さんはこの世界を愛しすぎてるよ」がたまらない。オタクがコンテンツに生かされていることがよくわかっているセリフ。製作陣の、ファン心理を突く表現にしびれたのであった。